ボツ BEFORE “FASTEST DELIVERY”
実は冒頭はこんな感じでした…。ボツ稿ですが、ナナちゃんが初登場です。
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「ああ、ランカちゃん――ごめん、アルトじゃなくて」
言うと、光に満ちた表情が一転した。
ああいう顔を前にも見たことがある。
いつどこで、だったのか?
その答えがどうでも、眺めて気持ちの良くなる表情ではなかったのは確かだ。
ガリア4へ慰問に向かうシェリルの護衛が、何故か政府から秘匿事項に指定されたため、アルトは事前にランカへ連絡することが不可能となった。そのため、彼が旅立ってから「アルトはここに来ない」と告げる悲惨な役目をミシェルが負うことになったのだった。
ランカのしょんぼり具合に、それを依頼してきたアルトを多少恨みそうにもなったが、今ミシェルの目の前にいる彼女は、もう、その再底辺のテンションから見事に立ち直っていた。
願いが叶うからか?
彼女はこれから、アルトがいるガリア4へ向かう。連れて行くのは自分だ。
いや。
ミシェルとしては、フォールドの問題がLAIの技術で解決できるとわかっても、ランカを連れて行く気はなかった。
「えーと、それじゃあ、ほら、ランカちゃんの事務所の先輩の徳川喜一郎さんとか」
と、へらっと笑って言ってみたのだ。途端に陽光降り注いでいたはずの昼食タイムにブリザードが吹きすさんだ。
「ミシェルくんひどいです。ランカさんの気持ちを知っていて、そんなこと言うなんて!」
「そうですよ先輩。もう少し空気読めって、いつもアルト先輩に言ってるくせに!」
空気を読んでいなかった訳ではない。確かに気持ちは無視したが。
二人の援護に勇気づけられたか(正しくは、ルカはランカの後押しはしていない)
「お願いミシェルくん。もし私で役に立つなら――歌が必要なら、私を連れて行って」-------------------------------
以上、お目汚しでございました…。